コラム

データ転送サービスとは|無料で安全に使うための選び方5基準と注意点

データ転送サービスは、ファイルをアップロードしてリンクを相手に送るだけで受け渡しができるサービスです。無料で使えるものも多く、個人事業主や小規模の会社なら十分実用になります。この記事では、仕組みと選び方の5基準、無料で使うときの注意点を解説します。

データ転送サービスとは

ファイルをサービスのサーバーに一時的に預け、発行されたリンク(URL)を相手に伝えて受け渡す仕組みです。メール添付の容量制限(目安10〜25MB)を超えるファイルでも送れて、受け取る側は会員登録なしでダウンロードできるのが一般的です。

似た言葉に「クラウドストレージ」がありますが、役割が違います。転送サービスは渡して終わりの一時的な受け渡し、クラウドストレージは置き続けて共同作業する保管場所です。取引先への納品のような単発のやり取りには、期限が来ればファイルが消える転送サービスのほうが後始末が楽です。詳しくはクラウドストレージとファイル転送の違いで解説しています。

選び方の5基準

1. 容量:自分が実際に送るサイズで考える

サービスによって1ファイルの上限は100MB程度から300GB級まで大きく異なります。数字が大きいほど良いように見えますが、大事なのは自分が日常的に送るファイルのサイズです。書類・写真・デザインデータの受け渡しなら100MBで足りる場面がほとんどで、動画素材や環境一式を送るなら大容量型が必要です。

2. 保持期間:短く設定できるか

受け渡しが済んだファイルがサーバーに残り続けるのは、それ自体がリスクです。保持期間を必要最小限に設定できるか、期限が来たら自動で消えるかを確認します。「長く残せる」より「短くできて、確実に消える」ほうが、仕事の受け渡しでは価値があります。

3. パスワード:形式と変更可否まで見る

パスワードを設定できるかだけでなく、どんなパスワードを設定できるかまで確認してください。たとえばギガファイル便のパスワードは4桁の半角英数字に固定で、一度設定すると再発行できません(ギガファイル便にパスワードを設定する方法)。取引先のセキュリティ基準で桁数が定められている場合、この仕様では満たせないことがあります。

4. 広告:受け取る相手の画面に何が出るか

無料サービスの多くは広告で運営されており、ダウンロードページに「ダウンロード」ボタンそっくりの広告が並ぶことがあります。迷うのはあなたではなく、リンクを開いた取引先です。自分で一度リンクを開き、相手が見る画面を確認してから使うことをおすすめします(偽のダウンロードボタン・紛らわしい広告の見分け方)。

5. 受け手の負担:登録・アプリなしで受け取れるか

受け取る側に会員登録やアプリのインストールを求めるサービスは、それだけで受け渡しが止まります。リンクを開いてボタンを押すだけで完了するか、スマホでも迷わず操作できるかを見てください。

無料で使うときの注意点

  • 広告の出方を事前に確認する。無料の対価は多くの場合広告です。自分の画面ではなく、受け取る相手の画面で確認します。
  • 機密度の高いファイルにはパスワードを設定する。リンクを知っていれば誰でも開ける状態が既定のサービスが多いためです。パスワードはリンクと別の経路で伝えます。
  • 期限を相手に伝える。無料枠は保持期間が短めです。メールに「〇日まで」と書いておくと、期限切れ後の再送依頼が減ります。
  • 利用規約の商用利用可否を確認する。個人向け無料サービスの中には、業務利用を想定していないものもあります。

無料で送る方法全般は無料でファイルを送る方法|ビジネスで失敗しない注意点でも解説しています。実際に主要サービスのダウンロードページが何を読み込んでいるかは外部ホスト数の実測レポートで公開しています。

用途別の使い分け

用途 選び方
動画素材・数GB超のデータ 大容量型(ギガファイル便など。1ファイル300GBまで無料)
見積書・請求書・納品データなど仕事の書類 広告のない画面・自由なパスワード・短期自動削除を備えたサービス
チーム内の継続的な共同作業 転送サービスではなくクラウドストレージ
対面・紙面からの受け渡し QRコード対応のサービス(QRコードでファイル共有する方法

当サイトのByteChipsは2つ目の用途、仕事の書類を確実に・きれいに渡すことに特化しています。1ファイル100MBまで無料、ダウンロードページに広告はなく、保存時はAES-256で暗号化、期限が来たファイルは自動削除されます。パスワードは128文字まで自由に設定でき、あとから変更もできます(Work以上)。大容量データの受け渡しには向かないので、そこは大容量型と使い分けてください。

よくある質問

Q. データ転送サービスとファイル転送サービスは違うものですか?

同じものです。「ファイル転送サービス」「ファイル便」とも呼ばれます。仕組みの全体像はファイル転送とは(完全ガイド)をご覧ください。

Q. 無料のサービスは安全性が低いのですか?

無料だから危険、とは限りません。ただし広告の出方・保持期間・パスワードの仕様はサービスごとに差が大きいので、この記事の5基準で確認してから使うのが安全です。

Q. 会社で使うには何を確認すべきですか?

まず自社と取引先のセキュリティ規程(使ってよいサービスの指定、パスワードの桁数規定など)を確認してください。そのうえで、受け渡しの記録が残るか、誤送信時にリンクを無効化できるかを見ると安心です。チェック項目は取引先とのファイル共有を安全にするチェックリストにまとめています。

ファイル共有の方法全体の使い分けは、ファイル共有の方法7選で解説しています。

関連記事

あわせて読みたい記事

クラウドコンピューティングのイメージ写真 ガイド ファイル共有とは|種類・方法・安全に使うための完全ガイド ファイル共有の種類・方法・安全に使うポイント・ビジネスでの選び方を1記事で解説する完全ガイドです。 続きを読む → 整ったオフィスデスクの俯瞰写真 広告なし 広告なしのファイル転送とは|広告つきサービスのリスクと選び方 広告なしのファイル転送の意味と、広告つき画面で起きる4つの問題(誤クリック・信用低下・トラッキング・企業フィルタでの遮断)、無料サービスを選ぶときの確認点を解説します。 続きを読む → データセンターのサーバー機器 ガイド ファイル転送とは|無料・大容量・安全に送るための完全ガイド ファイル転送の基本・無料/大容量で送る方法・安全に送るポイント・選び方をまとめた完全ガイドです。 続きを読む →