コラム

ファイル転送サービスのダウンロードページは何を読み込んでいるか|外部ホスト数の実測(2026年8月)

ファイルを受け取る相手が開くダウンロードページは、裏で何と通信しているのか。主要な無料ファイル転送サービスに実際にファイルをアップロードし、発行された共有ページの通信先を計測しました。結果は、最大で251リクエスト・接続先88ホスト。内訳と計測方法をすべて公開します。

計測結果(2026年8月27日)

ダウンロードページ 読み込みリクエスト 接続先ホスト うち第三者 うち広告・計測系
ギガファイル便 251 88 85 69
firestorage 203 66 60 49
ByteChips(当サイト) 6 1 0 0

ByteChipsは当サイトが運営するサービスです。この利害関係を踏まえたうえで、計測方法をすべて記載しますので、どなたでも同じ手順で追試できます。

広告・計測系の事業者その他の第三者(CDN等)サービス自身のドメイン

ギガファイル便ギガファイル便:広告・計測系 69ホスト69ギガファイル便:その他の第三者 16ホスト16ギガファイル便:サービス自身 3ホスト88firestoragefirestorage:広告・計測系 49ホスト49firestorage:その他の第三者 11ホスト11firestorage:サービス自身 6ホスト666ByteChipsByteChips:サービス自身 1ホスト1自社ドメインのみ

図1:ダウンロードページの接続先ホスト数と内訳(2026年8月27日計測)。棒の右の数字は接続先ホストの合計。
ギガファイル便ギガファイル便:251リクエスト251firestoragefirestorage:203リクエスト203ByteChipsByteChips:6リクエスト6
図2:ダウンロードページ表示時の読み込みリクエスト数(累計・同日計測)。

計測方法

  1. 165バイトのテキストファイルを、各サービスの通常のアップロード手順で実際にアップロード(会員登録なし・無料枠・保存期間は各サービスの初期値または3日)
  2. 発行された共有URLを、拡張機能のないChromium系ブラウザで開く
  3. ブラウザ標準のPerformance API(performance.getEntriesByType)で、ページが読み込んだ全リソースの接続先ホストを集計
  4. 「第三者」は、そのサービス自身のドメイン以外への接続。「広告・計測系」は、接続先ドメイン名がアドテク・計測事業者に属するもの(doubleclick、googlesyndication、criteo、taboola、openx など)
  5. ByteChipsも同一手順・同一ブラウザで計測

広告枠は開くたびに構成が変わるため、数値は計測時点のものです。また広告の読み込みはページを開いたあとも続くため、掲載値はその時点までの累計=下限値です。実際、ギガファイル便は表示直後206リクエストでしたが、数分の滞在で251まで増えました。

表示直後表示直後:206リクエスト206数分間の滞在後数分間の滞在後:251リクエスト251+45
図3:ギガファイル便のダウンロードページ。広告の読み込みはページを開いたあとも続き、滞在中に45リクエスト増えた。
項目 内容
計測日 2026年8月27日(JST)
テストファイル 165バイトのテキストファイル1点
アップロード条件 各サービスの無料枠・会員登録なし・保存期間は初期値または3日
閲覧環境 拡張機能のないChromium系ブラウザ(デスクトップ)
集計方法 Performance API(getEntriesByType)で全リソースの接続先ホストを集計
数値の性質 広告枠の構成により変動。読み込みは滞在中も続くため、掲載値は下限値

接続先の内訳:何とつながっているのか

第三者ホストの大半は、広告の配信・入札・効果測定を行う事業者でした。計測で実際に確認できた接続先の例です(ドメイン名は計測ログのまま)。

  • 広告配信・入札:securepubads.g.doubleclick.net、pagead2.googlesyndication.com、criteo、openx、pubmatic、smartadserver、taboola、rtbhouse ほか多数
  • ユーザー識別の同期:id5-sync.com、gum.criteo.com、sync.taboola.com など、閲覧者を広告ネットワーク間で突き合わせるための通信
  • アクセス計測:googletagmanager、google-analytics、quantserve など

つまり、共有リンクを開いた受け取り手は、ファイルを1つ受け取る間に、数十の広告・計測事業者と通信していることになります。

分類 役割 代表的な接続先(計測ログより) ギガファイル便 firestorage ByteChips
広告・計測系 広告の配信・入札・効果測定・ユーザー識別の同期 securepubads.g.doubleclick.net、pagead2.googlesyndication.com、gum.criteo.com、id5-sync.com、sync.taboola.com など 69 49 0
その他の第三者 CDN・外部ライブラリ・動画SDKなど cdn.jsdelivr.net、code.jquery.com、imasdk.googleapis.com など 16 11 0
サービス自身 ページ本体・自社CDN・ファイル配信 23.gigafile.nu/cdn.firestorage.jp/bytechips.com など 3 6 1
接続先ホスト合計 88 66 1
広告・計測系の事業者その他の第三者(CDN等)サービス自身のドメイン

広告・計測系:69ホストその他の第三者:16ホストサービス自身:3ホスト

図4:ギガファイル便のダウンロードページが接続した88ホストを1点=1ホストで表したもの。88点のうち第三者が85点、うち69点が広告・計測系。

受け取る側にとって何を意味するか

  • 表示が重くなる。本来6リクエストで済む内容に対して200超のリクエストが走れば、そのぶん表示は遅くなり、通信量もかかります。
  • 閲覧の事実が外部に伝わる。ユーザー識別同期の通信は、「そのページを開いた」という事実を広告ネットワーク側に残します。
  • 企業のセキュリティフィルタに弾かれることがある。広告ネットワークへの大量の接続を遮断する企業ネットワークでは、ページ自体が正しく表示されない場合があります(広告なしのファイル転送とはで詳述)。
  • 紛らわしいボタンが並ぶ。広告の中には「ダウンロード」風のボタンも含まれます(偽のダウンロードボタンの見分け方)。

公平のために:広告は「無料で大容量」の対価です

誤解のないように書いておくと、これらのサービスが悪いという話ではありません。ギガファイル便は1ファイル300GBまで無料という、広告収入があって初めて成立するサービスです。firestorageも同様に、無料・容量無制限の運営を広告が支えています。どちらも有料の広告非表示プランを提供しています。

問題は用途との相性です。動画素材など大容量データの受け渡しには、広告つき無料サービスは合理的な選択です。一方、見積書・契約書・納品物など仕事の書類を取引先に渡す場面では、受け取り手を数十の広告事業者との通信にさらす経路が最適とは言えません。

まとめ

ダウンロードページの「見た目」は広告の有無でしか判断できませんが、通信の実態はその何倍も差があります。ファイル1つを渡すのに、受け取り手のブラウザが何と通信するのか——サービス選びの基準に「受け取る相手の画面」を加えることをおすすめします。

本計測は今後も定期的に更新し、対象サービスも追加していく予定です。計測手順は本文のとおりで、どなたでも再現できます。引用の際は本ページへのリンクをお願いします。

本計測の内容に事実誤認があった場合は、確認のうえ速やかに訂正します。お気づきの点は info@bytechips.com までご連絡ください。

サービスの選び方はデータ転送サービスとは|選び方5基準、全体像はファイル転送とは(完全ガイド)で解説しています。

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